「思いをカタチに、集中のちから」

脾に宿る「意(い)」は、記憶・思考・学び・集中といった精神機能をつかさどる存在。考えすぎて動けなくなる前に、バランスを取り戻しましょう。

① 五臓と五神の関係

「意(イ)」は脾に宿ります。脾は飲食物から得られた栄養(後天の精)を全身に巡らせる役割を担い、同時に「意(い)」の働き=思考・記憶・集中力を生み出します。脾が健やかであるほど、思考は明晰になり、記憶力も安定します。

② 精神的特徴(長所と短所)

長所:集中力がある、勉強熱心、計画性に富む、思慮深いなど。

短所:考えすぎて動けない、心配性、物忘れが増える、自己否定感など。

③ 中医学的背景

「思(し)」「意(い)」から生まれる精神活動とされ、過剰な思慮は「脾を傷る」と古典に記されます。つまり考えすぎや思い詰める、こだわりが強いなどは脾胃にダメージを与え、食欲不振や倦怠感などにもつながります。中医学ではこのような状態を「思傷脾(ししょうひ)」と呼びます。

④ 失調時に現れやすい症状

「意」が失調するのは、五臓の「脾」の働きが弱っていると考えられます

精神的サイン
思考が堂々巡り、物事を悪く考えすぎる、決断ができない、物事にこだわり過ぎるなど。

身体的サイン
消化不良、胃もたれ、逆流性食道炎、慢性的な疲労、むくみ、口内炎、下痢など。

⑤ 養生のポイント

「健脾利湿」、五臓の脾は湿に弱いため、湿を溜めないようにし、脾を健やかにする。

「脾」(消化・吸収機能)を健やかにし、気血の生成力を高める。そして体内の余分な湿(湿邪)を排出して、むくみやだるさを軽減すること。脾が弱ると湿が溜まり、湿が溜まると脾が弱るという相関関係があり、一方が悪くなるとさらにもう一方が悪くなるという負のスパイラルの関係にあります。出来るだけ暴飲暴食を避け、こってりしたもの、消化の悪い物、冷たい物、生の物(サラダや果物も)を避け、温かく、柔らかく、消化しやすく調理したものを食べるように心掛けましょう。

生活習慣
考え事は紙に書き出して整理する、同じことを繰り返さない習慣を。

睡眠
寝る前のメモ書き・日記習慣で思考を頭の外に出す。

こころの使い方
悩みを共有する、内省と行動のバランスを取る。

癒しの香り
オレンジスイート、カモミール、ジンジャー、フェンネルなど。

経絡と運動
足の太陰脾経に沿ったストレッチ、ウォーキングや太極拳など。

⑥ 周囲との接し方のヒント

話をじっくり聞いてくれる人との対話が安心につながります。

完璧を求めすぎず、70点でOKと考える「緩める思考」を周囲に教えてもらいましょう。

⑦おすすめの食材

●一般食材
 かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、とうもろこし、にんじん、大豆、もち米、白ごはん、卵、鶏肉など。
●薬膳食材
 山薬(やまいも)、蓮子(れんし)、扁豆(へんず)、大棗(なつめ)、陳皮、茯苓、白朮(びゃくじゅつ)、人参、蜂蜜、百合など。

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